日本では婚姻届は夫婦いずれかの本籍地に原則として提出しないといけない、と思っている方も多いですが、戸籍謄本等の必要資料をきちんと準備すれば、全国どこの市町村でも婚姻届の提出は原則として可能です。
一方、中国では今までは原則として夫婦の一方の戸籍登録地で婚姻届の提出が必要でした。つまり、夫が上海市の戸籍で妻が北京市の戸籍の場合等、遠方の戸籍登録地のカップルの場合は、上海市か北京市の管轄の婚姻登記処に出向く必要がありました。
このような場合、例えば夫婦双方が天津市で働いているような場合は、結婚するためには遠方まで出向かないといけないため、手続き上、非常に不便であるとの指摘がなされていました。
しかし、2025年5月10日に施行された「婚姻登記条例」により、上記の様な制限が撤廃されて、全国各地で手続きできるようになりました。
また、婚姻手続の際の必要資料として必須であった居民戸口簿の提出も不要となりました。
これにより、上記のような戸籍登録地以外の場所で働いているカップルなどにとっては婚姻手続がとても便利になったといえます。
この結果、中国政府が18日までに発表した2025年上半期(1~6月)の婚姻件数は前年同期比で10万9千組増え353万9千組だったようです。
日本では日本人同士の結婚の場合、結婚手続き自体はさほど難しくないため、このような現象は考えにくいですが、中国においては上記の通り、婚姻数の増加に一定の効果が出ているようです。
一方、中国人と日本人との国際結婚カップルの場合、日本の法務局が発行した婚姻要件具備証明書(※独身証明書)にアポスティーユ(外務省の認証)をつけて提出したにも関わらず、婚姻登記を拒否されたという事例も報告されており、必ずしも婚姻手続が簡素化しているとは言えなさそうです。
このため、中国人と日本人との国際結婚カップルが中国で先に結婚する場合、WEBサイト等の情報をうのみにせず、事前に婚姻登記所に必要資料や認証の方法等をしっかり確認しておく必要がありそうです。
当事務所では、中国人と日本人との国際結婚や配偶者ビザ申請手続きをサポートしておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
(参考記事)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d54bdb2f55486c69d6e0f65bf5c28405347774a