経営管理ビザが不許可になる場合とは

当事務所では、日本で会社を設立し、起業しようとする中国人の方の相談を数多く受けています。

そして、相談の際に、「経営管理ビザが不許可になるケースはありますか?」という質問を時々受けます。

結論から言うと、入管専門の行政書士が関与しているケースでは、経営管理ビザが不許可になるケースはかなり少ないといえます。

しかし、「外国人の方が個人で自分で申請しているケースについては、経営管理ビザが不許可になるケースはかなり多い」といえます。

ではなぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。

在留資格の審査は、その外国人が経営管理ビザ在留資格の活動に該当しているかどうか、及び法務省令で定める上陸許可基準に適合しぐいるかどうか、現在の在留に問題がないかなどが審査されます。

経営管理ビザの場合、ビザの在留資格該当性・上陸許可基準適合性に該当しないと判断された場合や、その他現在の在留状況に問題がある場合などに不許可となります。

ですから、会社を設立し、代表取締役に就任したとしても、条件に合わなければ不許可となってしまいますので、ビザがもらえるかどうかはケースバイケースです。

実際、入管法やその他の基準に適合していなければどんなに真面目な人であっても経営管理ビザは不許可となり得ます。

入管ビザ専門の行政書士であれば許可、不許可のポイントを熟知していますから、不許可にならないようポイントを押さえた申請をしますが、外国人本人が申請した場合は普通は入管に言われた一般的な資料しか提出しないため、どうしても不許可率が高くなってしまうのです。

 

経営管理ビザが不許可になる具体例

では、会社を設立して代表取締役に就任し、入国管理局にビザの申請をしたにもかかわらず、経営管理ビザが不許可になる具体例としてはどのようなものがあるでしょうか。

具体的には、以下のような事例が典型例です。

 

a.在留資格の該当性に疑いがある場合

①会社の役員が複数人おり、それぞれの役割について必要性が認められなかった場合

②資本金の形成過程に疑義があると認められた場合

 ③事業所が自宅兼事業所やシェアオフィス、バーチャルオフィス等であり、明確に区画されていないため、事業所を確保していると判断されなかった場合

④外国人が行う事業が兼業を伴うものであり、事業の安定性が不明確な場合

⑤従業員を雇用せず、経営と実際の業務(現業業務)を1人で行っていく場合

 

上記のような場合は、在留資格の条件に適合しない可能性があるとして、経営管理ビザの活動には該当しないと判断されることもあります。

 

b.現在有している在留資格での滞在状況が素行不良であると判断される場合

 

①留学ビザの在留資格から経営管理ビザへの在留資格変更申請を行う場合に、学校での出席率が著しく悪い場合

②留学ビザで資格外活動許可を得ているが、週28時間を超えてアルバイト等をしていた場合

③以前に虚偽の書類を提出する等、不正な手段をもって在留資格を得たことが判明した場合

④暴力事件や偽装結婚等、刑事事件等で有罪判決を受けた場合

このような場合、在留状況が良好でない(素行不良)と判断されることとなり経営管理ビザは不許可となる可能性が高いといえます。

 

経営管理ビザが不許可となった場合の再申請

外国人の方が自分で経営管理ビザを申請し、不許可になってしまったケースでは、再申請を検討することになります。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で5年会社で働いた後で、「経営・管理」の在留資格に変更申請し、その際、入国管理局に資本金の出所について説明をしましたが、不許可になった事例があります。

その資本金は、日本で上記の5年間に働いて貯めた資金と、留学生の時の奨学金や親から預かって本国から持ち込んだ資金です。銀行には預けず、自宅で保管していたようです。

このような場合、申請人側で、資本金がどのようにして形成されたのか、詳細に説明し、立証する必要があります。
「経営・管理」ビザの再申請の際には、前回の不許可理由を調査し、前回申請時の不許可理由に 対する説明や、不許可理由を払拭する事実等が必要です。

今回の場合であれば、「資本金の形成に関する詳細な説明」 と、[500万円の投資金額の出所を説明する資料」等を準備しなければなりません。

入管法の改正により、資本金の形成過程等を詳細に聞かれる機会は以前と比べれば減りましたが、依然疑義のある申請ではその資本金の形成過程を聞かれる場合も見受けられます。

例えば定款に記載された発起人と資金の出資者の不一致がある場合や収入の割に資産が多い等不適切な方法による資本金の形成を行っている場合には、その申請は不許可となる可能性が高いといえます。

また、経営管理ビザが一旦不許可になると、会社設立その他起業準備に要した費用が無駄になってしまいますし、申請の難易度も上がってしまいます

そのため、できる限り会社設立の前からビザ専門の行政書士と一緒に手続きをすすめていくことをおすすめいたします。

当事務所では、中国人経営者の会社設立、経営管理ビザの申請を多数行い、許可を勝ち取ってきておりますので、経営管理ビザの申請でお困りの際は、是非お気軽にご相談ください。

 

経営管理ビザが不許可になってしまった場合の対応方法

 

上記のように、経営管理ビザは不許可になった場合のリスクが非常に高いため、行政書士に依頼したほうがいいですが、ご自身で申請して不許可になった場合にどのように対処していけばいいかにつき以下説明します。

 

①まずは不許可の理由を調査する

入管から不許可通知書が届いた場合に、その通知書には理由がほとんど書いてないため、本当の不許可理由がはっきりとわかりません。

そのため、入管にまずは不許可理由の確認をすることがスタートです。

ここで、最初の申請した時にどの点がまずかったのかにつききちんと情報を取っていく必要があります。

ただ、入国管理局には、不許可理由を逐一丁寧に申請者に説明すべき義務まではありません。

ですから、入管で形式的な不許可理由はわかっても、入管法の素人である外国人が入管に行っても、審査官がどこを問題とし、どのように改善したらいいのかまでは教えてくれないことが多いです。

 

②書類を再度整えて再申請する

通知書を見ると不許可になった場合は裁判しないといけないような気になってしまいますが、そのようなことはありません。再申請は可能です。

ただ、何度も再申請さえすれば熱意が伝わって許可になる、と思っている方がいますが、大間違いです。

不許可の場合は、前回と同じ内容で再申請しても手間と時間の無駄になります。なぜなら状況が変わらなかったり、足りない説明や書類があったりしたまま再申請しても不許可理由は解消されないからです。

さらにややこしいのは、よく考えずに前回の申請内容を適当に変えて申請すると、前後の申請で内容が変わり、前回の申請と今回の申請の矛盾点を突かれます。そのような対応をすると今後経営管理ビザがずっと不許可になり、店をたたむしかなくなる可能性もあります。

ですから、不許可の場合の再申請の書類は頭を悩ませつつ、慎重に作成する必要があるのです。

 

当事務所のサービス

①不許可理由調査のための入管同行サービス:3万円(税別)
上記のように、経営委管理ビザが不許可になってしまった場合は、慎重かつ適切な対応が必要です。

そこで、経営管理ビザ専門の行政書士が、まずは入国管理局へ同行し審査官にしっかりと不許可理由確認を行います。

その上で、不許可の原因を専門的にしっかり分析し、再申請の準備をいたします。

是非ご利用ください。

②経営管理ビザ再申請フルサポート:20万円(税別)
経営管理ビザ申請を行って不許可になった場合に、もちろん再申請はできますが、最初に申請した時よりも、審査が厳しくなります。

なぜなら、前回の申請の不許可実績は全て入国管理局に記録されているからです。不許可の理由を確認し、その原因を解消すると、最初に申請した内容との矛盾が発生することが多く、それを解消するのが難しいことになります。

よって、安易に自分で再申請をしたりせず、当事務所のような専門家に相談し、再申請をすることをお勧めします。

当事務所では、これまで不許可になってご相談にいらっしゃるお客様のサポートに関し多数の実績があります。

自分で経営管理ビザ申請を行った、もしくは他社でビザ申請を行ったが、不許可通知書が届いてしまった場合でも、諦めずにご相談ください。