許認可とは

許認可とは、事業許認可、法人設立、外国人の手続等における許可・認可・免許・登録などの総称をいいます。

中国では国家の権限が非常に広いことから、行政庁の許可が必要な業種が非常に多いですが、日本でビジネスを行う場合、行政の許可を得なくても自由にビジネスを行えるものもたくさんあります。

しかし、一方で、一定の事業についてはビジネスを始める前に事前に行政の許認可を受けないといけないものも数多くあり、もし許認可が必要な場合に無許可でビジネスを行うと、業務停止になったり、刑事罰を受けることがあります

中国人の方の中には、外国人だから法律を知らなかったといえば大丈夫だと軽く考えている方もいますが、大間違いです。

日本の法律では、法律を知らなかったからと言っても、免責されません。日本人と同じように処罰されます。また、中国人の場合は入管法が適用されますので、刑事罰(執行猶予を含む)を受けると、退去強制処分となることもあります

実際、中国と日本では事情が異なります。同じような事業が海外では行政の許可なしで行えるのに、日本では行政の許可が必要なケースもあるので、ビジネスを始める前に自分のビジネスでは許可が必要かどうか、よく調査する必要があります。

また、先に日本でビジネスを始めている同国人が行政への許認可申請を手伝って報酬をうけているケースも散見しますが、行政書士以外の方が業として行政庁への提出書類作成代理を行うと刑罰が原則科せられます

例え市役所等に提出する軽微な書類であっても、他人の権利が関わる申請については、同国人に安易に依頼しないようご注意ください。

一般的なご依頼フロー

行政の許認可については、許可条件を満たしているかがとても重要です。

そのため、まず許認可要件を構成できるかどうかのお打ち合わせを最初にさせて頂きます(ご依頼されるかどうかに関わらず無料相談)。

その上で問題なければ、下記のプロセスにおける必要箇所ご捺印等のみでご負担なく進みます。

[1]営業開始前

要件の整備→書類作成→申請→(検査)→許認可取得

 

[2]営業開始後のご依頼

変更・更新・行政指導・行政処分への対応

事業許認可

日本には、いわゆる「許認可業種」と呼ばれる、事業許認可がなければ営業できない業種が、数100種類あります。

また、複数の許認可が必要な場合もあります。

例えば、深夜営業のショットバーを開きたいという方は、食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」と、風営法に基づく「深夜酒類提供届出」が原則必要です。

また、ゲストハウスで

業態・テナント立地・資産状況等によっては現時点でほとんど許可が下りない(又は届出が受理されない)ものもありますので、事前にご相談ください。

 

  • 代表例(以下、一部の抜粋であって原則のみを記載。管轄により差異あり。)
    許認可種別 概 要 根拠法令
    ①建設業許可 建設業・リフォーム業を営む場合、原則必要(軽微な請負工事を除く) 建設業法
    ②宅建業免許 宅地建物(不動産)取引業 宅建業法
    ③産廃業許可 産業廃棄物の収集運搬・処分業 廃棄物処理法
    ④特別管理産廃許可 爆発性・感染性(医療)産廃の収集運搬・処分業          (飛散性アスベストも可能) 廃棄物処理法
    ⑤貨物運送事業許可 有償貨物運送(トラック運送、バイク運送等)           ※ロケバス事業含む 貨物運送事業法
    ⑥旅客運送事業許可 有償旅客運送(タクシー事業、バス事業等)           ※ロケバス事業含む 道路運送法
    ⑦旅行業登録 国内外の旅行取扱い(代理業含む) 第1種・第2種旅行業は資産要件を特に予めチェック 旅行業法
    ⑧金融商品取引業登録 [1]伝統的な有価証券等売買→第1種金融商品取引業    [2]信託受益権売買等→第2種金融商品取引業 金融商品取引法
    ⑨不動産特定共同事業許可 事業参加者(投資家)の出資により、事業者が不動産を取得し、事業から得られる収益を事業参加者に分配する事業 不動産特定共同事業法
    ⑩古物営業許可 [1]有償にて仕入れた中古品等を売却→古物商      [2]その他、古物市場主、中古品オークション開催等 古物営業法
    ⑪飲食店・食品業許可 レストラン、喫茶店その他飲食物提供を行う事業ならびに食品・食材の製造、加工処理、販売業 食品衛生法
    ⑫深夜酒類提供届出 深夜(原則24時以降)に酒類を提供する飲食店 風営適正化法
    ⑬風俗営業許可 クラブ、キャバクラ、パチンコ屋、ゲーセン、麻雀店その他 風営適正化法
    ⑭特定遊興飲食店営業 ダンスクラブ、サッカーバーその他 風営適正化法
  • その他、事業許認可の代表例
    美容室・理容室業、倉庫業、解体業、酒類販売業、貸金業、労働者派遣業、有料職業紹介業、旅館業、ネットカフェ営業、出会い系サイト営業、クリーニング業他

公益・福祉・医療・薬事の許認可

  • 代表例(以下、一部の抜粋であって原則のみを記載)
    許認可種別 概 要 根拠法令
    1.公益法人認定 一般社団・財団が公益目的事業を行う場合、税務その他諸々の特権付与 公益社団・財団認定法
    2.NPO法人設立認証 特定非営利活動(学術、スポーツ振興、消費者保護活動他)に該当する事業を行う法人 NPO法
    3.医療法人設立認可 いわゆる「本来業務」(病院、診療所、介護老人保険施設)を開設しようとする社団又は財団 医療法
    4.社会福祉法人設立認可 社会福祉事業を行う法人 社会福祉法
    5.病院・診療所開設許可 病院、診療所(法人運営)等を開設する場合 医療法
    6.薬局開設許可 薬剤師が販売又は授与目的で調剤業務を行う場所の開設(医薬品の販売業を併せて行う場合、その場所も含む) 薬機法
    7.医薬品販売業許可 医薬品の店舗販売、配置販売、卸売販売等を行う場合の許可 薬機法
    8.介護保険事業者指定(許可) 訪問、施設、居宅支援等の介護事業につき介護報酬受け入れが可能となる(例:利用者負担の9倍を、事業者が受給可) 介護保険法等
    9.障害福祉事業者指定(許可) 障害者(児)の居宅介護等の事業につき介護給付受け入れが可能となる(例:利用者負担の9倍を、事業者が受給可) 障害者総合支援法等
    10.児童福祉施設設置認可 保育所等を設置する事業 児童福祉法

土地建物・農業の許認可

例えば、農地を譲渡・転用するにあたっては、農地法に基づく許可や、場合によっては開発許可等も必要になります。

  • 代表例(以下、一部の抜粋であって原則のみを記載)
    許認可種別 概 要 根拠法令
    ①農地法許可・農地相続 農地・採草放牧地の転用や権利移動(売買、賃貸借等)に関する効力発生要件 農地法
    ②農用地除外申請 農用地内における建築等の転用に関する許認可 農振地域整備法
    ③生産緑地内行為許可 一定要件にて生産緑地内の制限行為(建築、改築、造成、埋立他)の許可 生産緑地法
    ④市街化調整区域内の建築許可 通常建築ができない調整区域内において、一定要件の立証により建築許可 都市計画法
    ⑤開発行為許可 建築目的の土地区画形質変更等 都市計画法
    ⑥建築協定認可 地域住民の申合せにより、建築物の敷地や用途等に関する基準作成(建築基準法に優先する) 建築基準法
    ⑦大規模小売店舗届出 店舗床基準面積1000㎡以上(地域により上乗規制あり)の設置・変更に関する基準適合届(駐車、荷捌き、廃棄保管、騒音他) 大規模小売店舗立地法
  • その他、国土利用法の届出、道路占用許可、公用地の払下げ申請、河川工事、道路位置指定申請等

外国人ビザ、在留資格、帰化等の許認可

  • 代表例(以下、一部の抜粋であって原則のみを記載)
    許認可種別 概 要 根拠法令
    ①在留資格許可 就労・身分系ビザの認定、取得、変更、更新等 出入国管理及び難民認定法
    ②永住許可 日本に永住できる許可 出入国管理及び難民認定法
    ③難民認定 政治的な迫害等から逃れる為の日本への定住等 出入国管理及び難民認定法
    ④帰化許可 日本人の血統でない者等の日本国籍取得 国籍法
    ⑤国籍取得届 認知された子等の日本国籍取得 国籍法

知的財産に関する許認可

  • 代表例(以下、一部の抜粋であって原則のみを記載)
    許認可種別 概 要 根拠法令
    ①著作権登録 著作権の移転・質権設定等に関する第三者への対抗要件 著作権法
    ②プログラム著作権登録 創作年月日や第一公表年月日を法律上推定させる効果 著作権法・プログラム著作権法
    ③植物品種登録出願 最先出願人に対し新品種の育成権が絶対的(排他的・独占的)に与えられる 種苗法
    ④特定農林水産物等の登録 産地・特性に関する農林⽔産物・⾷品等の名称保護 特定農林⽔産物等の名称保護法(地理的表示法)

     

 

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